セミ油圧クラッチが壊れた。実はこのままでも使えるのでまぁ良いかなという気持ちが多少なりともあったのだが、壊れていることに気づいたまま使い続けるのはあまり気分が良くない。
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ついでと言っては何だが、フロントブレーキマスターもあまり気に入っていない。今ついているDIHODAという中華ブランド品は、マスター径が大きすぎるのか、握った直後に制動力が一気に立ち上がるのがいまいち。なのでこっちも交換してしまおう。
Adelinのラジアルマスターシリンダーとクラッチレバーに交換する
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というわけでAliexpressで部品を購入。中国通販あるあるのあんまりきれいじゃないねずみ色の袋から2つの箱が出てきた。
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中身はブレーキマスターシリンダーと、ワイヤー引きのクラッチレバー。両方ともAdelin(アデリン)というブランドのものを選択してみた。なんならブレーキマスターはラジアルマウントなのでかなりレーシーな一品だ。
このAdelin、噂によるとBrembo(ブレンボ)の遠い親戚みたいなものらしい。BremboのOEM先の一つである台湾の会社の自社ブランドがFrando(フランドー)で、そのFrandoを作っている中国工場の自社ブランドがAdelinなんだとか。AdelinはBremboとの互換性は無いが、Frandoとは共通の部品が使えたりするとかなんとか。真偽は不明。
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実際このAdelinのラジアルマスター、かなり作りが良い。Aliexpressで5000~6000円で買えるのだが、2000円のDIHODAとは比べ物にならないぐらい上等で良い。正直びっくりした。
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すごい細かい部品やゴムパーツにまでAdelinのロゴが入っていて、かなりコストが掛かっていることは明らか。文句を付けるとすれば、摺動部にグリスが塗られていないなど微妙なところが無いわけではないものの、そんな物は組み直せばどうとでもなる。
しかもシリンダー径が14、15、16、17.5、19mmから選べるし、色もたくさんある。今回買ったのはシリンダー径14mmの黒。ブレーキスイッチが無いが、ショップによってはブレーキスイッチ付きで販売しているところもあった。
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ワイヤー引きのクラッチレバーはかなりシンプルな作りで、全体的にかなりしっかりとした印象。油圧レバーには可倒式が見つからなかったのに、なぜかクラッチレバーは可倒式しかなかったのは謎。あとクラッチレバーのほうが若干長いのも謎。
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クラッチワイヤーがハマる部分が、ワイヤー抜け防止なのかワイヤーを装着すると絶対に溝からズレる仕様になっている。微妙に整備性が悪いが、そう頻繁に脱着することはないのでOK。クラッチワイヤーとレバーの調整ノブがアルミ製なのに、イモネジで位置を固定するようになっているのが、ネジを潰しそうでちょっと気になる。
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あとこちらにはちゃんとクラッチセンサーが付いていた。でも中華ダックスには使わないので、外しておいた。
あとこのレバーにはミラーの取付穴が無い。なので後でどうにかする。
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あとはクラッチワイヤーとブレーキスイッチ、クラッチワイヤーホルダーを準備。ワイヤーホルダーは元々ロンシンエンジンに付いていたもの。ブレーキ用の圧力スイッチは以前間違えて買った中華品。クラッチワイヤーはキタコのモンキー用100mmロング(850mm)を買ってみた。
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ラジアルマスターシリンダーはポン付け
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ブレーキマスターの装着は全く難しくなく、完全にポン付け。ブレーキホースの長さもちょうどよかった。
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ブレーキスイッチは車体側とスイッチ側でコネクター形状が全く違うので、ギボシ化して対処。
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一点だけ問題があり、サブタンクに繋がる付属ホースの外形が太すぎるのか、付属のホースバンドでの固定が困難だった。なのでホースはその後タイラップで止めておいた。
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ミラー用に10mmの正ネジ穴が空いているので、ブレーキフルードのサブタンクステーと共締めで固定。ミラー形状によってはステーに干渉しそうだったが、今回は回避できた。
ラジアルマスターシリンダーはエア抜きが難しいのか、マスター側のニップルからも作業してようやくエア抜きが完了。
クラッチ側はいくつかの加工が必要
クラッチも基本的にはポン付け・・・のはずなのだが・・・、
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とりあえずクラッチワイヤーの選択ミスで届かず。油圧ホースの時は900mmでも少し長かったので850mmで行ける気がしていたのだが、よく考えたら油圧とワイヤーで取り回し方が違うため、届かないのも当然だった。
また最短の取り回しにすれば届きはするものの、インナーワイヤーの突き出し量が足りず、無理やり付けると常時半クラッチ状態に。これじゃあダメだ。
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というわけでまた別のクラッチワイヤーを発注。同じくキタコ製で、モンキー・ゴリラ用の1045mm長を選択。これなら絶対届くはず。
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で、やってみたら届いたどころか若干長いぐらいだったのだが、こちらもインナーワイヤーの突き出し量が若干足りず、ほんの僅かにクラッチが引かれた状態になってしまった。このパツパツ具合はちょっと困る。
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というわけで、ワイヤーの調整用高ナットを2mmほどカットして長さを調整。
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これで少し遊びがあるぐらいに調整できた。でもここまでやるんだったら自転車用のケーブルとネジ止め式のタイコでクラッチワイヤー自作すればよかったなと思ったり。
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ミラー取付穴が無い問題は、汎用のミラー用クランプを準備。
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Adelinのブラケットとミラー穴付きブラケットを交換してみたところ、ボルトをしっかり締め付けても若干ゆるいことが判明。なのでブラケットの下側だけを1mmほど紙やすりで削って調整した。
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これでしっかりと取り付けできた。
実走行レビュー
ここからは実際に走ってみた感想を書いていく。
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Adelinクラッチレバーのレビュー
クラッチレバーに関しては特に言うこともなく普通。剛性感はしっかりあって握り心地も悪くない。レバーの距離調整は狭くなる方向に広いので、手が小さい人でも扱いやすいのは日本人的にはありがたい。
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が、Adelinのクラッチレバーは手元で7~8mm程度ワイヤーを引いているのだが、実際にはワイヤーの伸びやブラケットの歪みなどもあるためか、エンジン側では5~6mmしかワイヤーが引けていなかった。中華ダックスに載っているロンシンエンジンの場合はもう少しだけ引く量が無いと、完全にはクラッチが切りきれず、微妙に動力が伝わる状態になってしまう。もっと遠くなる方向にレバーの距離が調整できれば解決できるのだが、限界まで遠くしてこれなので困る。
しょうがないのでワイヤーの張りを強めて、あらかじめほんの少しだけクラッチワイヤーが引かれている状態に調整した。実走行上の問題はこれでなくなったが、もうちょっとしっかりとワイヤーを引けるレバーを探すか、あるいはセミ油圧クラッチに再挑戦するか考えたほうが良さそう。
というわけでクラッチレバーはちょっと微妙。物は悪くないだけに惜しい。
Adelin ラジアルマスターシリンダーのレビュー
Adelinのラジアルマスターシリンダーはかなり良い。
今回14mmシリンダーを選択したが、中華ダックスのキャリパーには若干小さかったようで、握りがかなり深くなってしまった。AdelinのラジアルマスターはBremboなどの高級品と違ってレバー比の調整ができないので、こればかりはしょうがない。
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が、握ったフィーリングは素晴らしい。巷に言われるラジアルマスターのメリットの「握った量に対してリニアにブレーキ力が立ち上がる」がまさにそのままで、弱いブレーキから強いブレーキまで自由自在。まぁ当然中華ダックスの貧弱な足回りとスクーター用タイヤではそんなに強い制動力は求められないのだが、街乗りするスピードではとても扱いやすい。これは良い。
剛性感も高いし見た目も良いし、これは素直にオススメできる。クラッチレバーもどうにかして油圧にしたい…。
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