【中華DAX】負圧式の燃料ポンプを追加して、ガソリンがキャブに安定供給されるようにする

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中華ダックスにサブタンクを追加してみたら、ある問題が発生した。それは、

サブタンク内の燃料が少ないとキャブまでガソリンが届かない

という現象。アイドリングぐらいならどうにかなるのだが、アクセルを開けると燃料が足らずにストールしてしまう。これじゃあサブタンクの意味がない。どうやらこの問題、ダックスやシャリーのように元々燃料タンクの位置が低く、キャブレター交換によってキャブの位置が純正よりも上がってしまった際に良く起きるらしい。

なぜそうなるのか?といえば、この手の古いバイク(を模した物)は、燃料を重力によって供給しているため。燃料タンクから落ちていくガソリンをキャブレターで受けているだけなのだが、当然キャブレターの位置が上がったり、燃料が減って油面が下がったりすると、サイホンの原理がうまく働きずらくなり、燃料がうまく送られなくなってしまう。

逆に言えば燃料ポンプを付ければ解決する問題ということ。早速やっていこう。

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2st用の負圧式の燃料ポンプを流用する

といってもダックス用の燃料ポンプなんてあるはずがない。電磁式の燃料ポンプを付けるのも配線加工などが必要となるので、今回は定番メニューらしい負圧式の燃料ポンプを使ってみる。

そこで用意したのがこれ。Amazonで売られている2st DIO用の負圧式燃料ポンプ(のコピー品)。いわゆるダイアフラム式のポンプ。短い負圧ホースとしょぼそうな燃料フィルターも付いていたが、これは使わない。

取扱説明書など何もないのでわかりずらいが、金色のチューブがガソリンの吸い口(燃料タンク側)で、返しのあるホースがガソリンの排出口(キャブ側)、返しの無いホースが負圧の接続になっていた。負圧にチューブを繋いで口で吸ったり吐いたりすればわかる。

本来このポンプが使える2stエンジンであれば負圧をクランクケースから取り出せるのだが、4stエンジンでは構造上できない。なので今回はインテークマニホールドにニップルを付けて負圧を取り出す。クランクからほど強い負圧は取り出せないが、問題はないはず。

適当なニップルを買うと1/8PTのネジピッチになってしまうが、僕は水道屋さんじゃないのでそれ用のタップなんて持ってないし今後使う予定もないので、キタコのニップルを用意した。これなら普通のM6のネジなので扱いやすい。

原付用の負圧ポンプなら燃料リターンは不要らしい

ところで、燃料ポンプを付ける上で気になったのは「燃料のリターン配管はどうすればいいのか」という点。

通常、燃料ポンプから送られたがキャブがいっぱいで余ってしまった燃料は、リターンホースを通じて燃料タンクに戻るようにレイアウトする。ただ今回はサブタンクがあるので、リターンホースは2本必要になるし、分岐のコックも要るし、何ならリターンホースから燃料が供給されないようにするためにガソリンタンクの上部にニップルを付ける必要もある。これは超めんどくさいのでは…?

参照:YouTubeコメント欄

と思ったらYouTubeで親切な方が「DIO用のポンプならリターンは不要」と教えてくれた。どうもこのポンプなら流量も燃圧も大したことないので不要らしい。ありがとうございます。やっててよかったYouTube。

というわけでリターンレスの配管でやってみる。

負圧式燃料ポンプの取り付け

燃料ポンプを付ける位置を考えて、おおよそこの辺がよさそうだと思ったので、ここに上手く付けられるようにしていく。

インテークマニホールドにニップルを取り付ける

まずは負圧を取り出せるように、インマニにニップルを取り付ける作業を行う。

インマニを取り外す。

ドリルで5mmの穴を開ける、アルミ製で柔らかいので簡単に穴が開くが、失敗しないために1mmから順に刃を大きくしていった。

そしたらM6×P1.0のタップでネジ山を作る。

キタコのニップルを刺してみると、ちょっとネジが長かった。これでも負圧を取り出すには問題ないが、ちょっとだけ吸気効率に拘りたいので、

ネジ部分を短くカット。グラインダーがあれば楽勝。切った後はダイスでネジ山を整える。

目検で切ったけどぴったり。

二次エアを吸わないようにニップルにシールテープを厚めに巻いたら、

インマニに取り付けて完了。

燃料ポンプが動くかチェックする

燃料ポンプによって正常にガソリンが送られるかどうか、念のためチェックする。

ニップルを取り付けたインマニを元に戻す。

負圧を繋いで、携行缶から容器にガソリンが流れるようにセッティング。エンジンをかけて期待通りに動くか確認。

燃料ポンプによってガソリンが送られるのが確認できた。アイドリングではちょろちょろと、アクセル開度に合わせてだばだばガソリンが送られた。わざと排出側のホースを摘まんでガソリンをせき止めてみたりしたが、何も起こらなかった。ポンプの燃圧は本当に大したことが無さそうなので、これならリターンも要らないし、キャブがオーバーフローすることも無さそう。

燃料ポンプを取り付ける

ポンプの動作が確認できたので、実際に車体に取り付ける。インマニから強い負圧がかかることはないので、ホースは全てサブタンク取り付け用に用意した内径5.3mmの燃料ホースを使っている。

そして完成したのがこれ。M6×20mmのボルトでフレームに固定した。スペースが狭いのでコックを少し前に移動させているが、それ以外はポン付け。部分的にホースの取り回しがキツイ箇所があるので微妙ではあるが、見た目的にはステーも無くてシンプル。やたらとホースが多くてまがまがしいけど…。

燃料の残量が極小でもしっかりとガソリンが供給される

サブタンク内にガソリンをほんの少しだけ、ポンプがない状態だとアイドリングも怪しいぐらいの量を入れた状態でエンジンをかけてみた。

アイドリングしたりアクセルをブンブン開けてみたりしたが、燃料が足らずにストールすることはなかった。長い下り坂をアクセルOFFの状態で下った直後はキャブに燃料が足りなくなるケースが起こりうるらしいが、今のところ確認できていない。

デメリット:キャブが空の時にエンジンをかけるのが大変

負圧式の燃料ポンプを取り付けると一点だけデメリットがあることに気づいた。燃料が重力で自動供給されなくなるので、キャブレターにガソリンが溜まるまでキックし続けないとエンジンがかからないのだ。

試しにキャブのドレンから燃料を抜いた後にエンジンをかけてみたが、20回以上キックしないとかからなかった。ジェットのセッティングをしたあとはちょっと大変かも…。

これでガス欠まで走れる

負圧式の燃料ポンプが付いたので、これで「まだタンク内にガソリンがあるのにガス欠する」なんて症状から解放され、本当にガス欠するまで走れるようになった。長距離走る時も安心できるはず。

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リターン配管を新設

燃料ポンプ増設後、キャブがオーバーフローするようになったのでリターン配管を新設した。

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