中華ダックスを買って最初に付いていたハロゲンバルブはわずか走行10kmで切れ、その後間に合せでかった適当なハロゲンバルブはめちゃくちゃ暗く、遊びで買ってみた$2の中華LEDバルブも割とすぐに壊れた。
その後はM&Hという純正バルブを製造しているのと同じ工場で作られるハロゲンバルブに交換したら、割と明るいし壊れないしと素晴らしい見せてくれた(といっても古い懐中電灯ぐらいの明るさだが…)。やはり信頼できるのは純正バルブメーカーだけ。
と思っていたところに、LEDヘッドライトブランドから商品提供の依頼をいただいた。もらえるものは貰うスタイルで生きている僕なので、ありがたく話を頂戴することにした。
商品を提供されてはいるものの、レビューの内容に関しては自由なので、忖度無しでレビューしていきます。
SUPAREE LEDヘッドライト
今回商品提供を頂いたのが、SUPAREEというブランドのLEDバルブ。Amazonで調べるとやたらとたくさん出てくる中国製のLEDブランドだ。
実はこのSUPAREEのLEDバルブ、僕は他のバイクで使ったことがあるのだが、なかなか使い勝手がよく、明るさも配光も良かった。そういう経験があるので今回SUPAREEから連絡を頂いたのは少し嬉しかった。
中華ダックスに使えるバルブ形式はBA20D。底面にある電極の端子を見てもわかるように、豆電球が大きくなったぐらいの感じのしょぼいバルブ形式なので、元からあんまり明るくない。国産バイクメーカーでも東南アジア産だったり、一部の海外メーカーでも125ccぐらいの低価格バイクに使われている形式で、基本的にどのバイクも「ヘッドライトが暗い」というレビューがあるぐらいしょぼい。
SUPAREEのバルブはLEDだがコントローラーなどの外部装置が無く、完全にバルブ単体で駆動するのが特徴。その分明るさなどが犠牲になっていそうだが、今回のBA20Dでは銅製の基盤や金属筐体でしっかりと放熱に気を配るなど、適当な格安バルブとは一線を画す作りになっている。
またこの製品は直流/交流兼用となっている。多分$2の中華バルブは直流専用だったのですぐ壊れたんじゃないかと思っているのだが、SUPAREE BA20Dバルブならそのへんは心配なさそう。
国産バルブと並べてみても、光源の高さなどはほとんど同じ。写真上側のロービームにはきちんと遮光板があり、ハイビームは無しの仕様はハロゲンと同じ。
バルブの交換方法は以前紹介しているので、そちらを参照してほしい。ネジ3本外すだけなので簡単。
LED素子がヘッドライト内で左右を向くのが正しい取り付け向き。
ハロゲンより若干明るいものの…
実際に明るさを比較してみた画像がこれ。カメラの設定は肉眼で見たときに近いイメージになるように調整している。
まずアイドリング時の明るさは圧倒的にLEDのほうが明るい。というか元のハロゲンはアイドリング時はめちゃくちゃに暗い。ただしLEDは点滅のキレが良すぎるせいでチラついてかなり鬱陶しい。正直夜中に信号待ちとかしてたら目がチカチカしてたまらないレベル。ここはコンデンサーを挟むなりなんなりで対策してほしかった。
エンジンの回転数を上げると、ハロゲンは明らかに明るくなる。それに対してLEDは多少明るさが上がるが、そこまでの変化はなし。ただこれでもハロゲンよりLEDのほうが若干明るい。ただしロービームの配光はLEDだと良くなく、特に下方向への配光がかなり減ってしまった。ほぼ路面を照らしていないのは好ましくない。
ハロゲンは消費電力の関係からかロービームが消灯してハイビームのみが点灯する仕様になっているのに対し、SUPAREE LEDバルブはハイビームに切り替えてもロービームと同時点灯する。これはかなり助かる仕様。ただしハイビーム単体で見るとハロゲンのほうが明るいように思える。
公道走行でも明るさアップは見えるが…
夕暮れのまだ明るい時間でテストしてみた。今までのハロゲンバルブだったら正直言って点灯しているのかどうかは、よく洗車されたきれいな車への映り込みぐらいじゃないと確認できないような状況なので、ライトの明るさの違いが見て取れるはず。
実際に見てみると、アイドリングでも前方車両への映り込みの他に、左右へ広がる光が確認できる。この感じなら実際に明るくなったといっても良いはず。
ただトンネルの中に入ってみると、自車のライトの明かりは全くわからない。路面も左右もほとんど照らしていないので、どうなってるのかさっぱりわからない。
でもこれはBA20Dというバルブだったり、そもそもヘッドライトハウジングの光学設計があまり良くないことに起因しているので、決してバルブだけが悪いとは言い難い。
ただハロゲンのときは、多少だが路面も照らせていたので、もうちょっと頑張ってほしかった。
ファッション的には悪くない選択肢
というわけでSUPAREE BA20D LEDバルブのレビューをまとめると、以下のようになる。
- コントローラーレス、ハロゲンとほぼ同一寸法で取り付けが簡単
- 放熱にもしっかり気を使った設計で、明るさが変化しづらい
- AC/DC兼用で使いやすい
- カットラインがきっちり出る
- ハイ・ロービームが同時点灯する
- 価格が安価(約2000円)
- アイドリングでの点滅(ちらつき)がかなり鬱陶しい
- ハロゲンに比べて下方向への照射範囲が狭く、路面が照らせない
- 劇的に明るくなるわけではない
- 現時点では耐久性が不明(1年保証あり)
明るさだけで考えればハロゲンより少し明るいし、何よりコントローラーレスなので設置場所に余裕が無いバイクだとかなり扱いやすくて嬉しい。カットラインもきっちり出るし、価格もハロゲン並みに安価なので手に取りやすい。
反面、直流交流兼用と言いながらアイドリングだとかなりチラつくのが鬱陶しい。直流電源がヘッドライトに来ているバイクなら問題にはならないはずだが、もうちょっと対策してほしかった。また照射範囲が狭くなってしまったのは残念で、そもそもヘッドライトハウジングの光学設計に問題があるとは言え、もうちょっと頑張ってほしかったところ。
明るさをアップさせたいなら、思い切ってハウジングごと変えてしまう方がこのバイクに関して言えば得策。多分ほかのBA20Dバルブを使っているバイクも同様だと思うので、あんまりバルブでどうにかしようと期待するのが間違ってる。
でも僕は夜にバイクに乗ることはあんまり無いし、ファッション+αぐらいで考えれば、今回のSUPAREEバルブは悪くない選択肢だと思う。少なくとも人に迷惑をかけるようなメチャクチャな配光じゃないし、妥当な明るさはある。他形式のSUPAREEバルブもなかなか良かったので、中華製だが信頼に足るブランドと考えて良いだろう。
後日談:ロービームが点かなくなった
この記事や動画を作ってから少ししたら、ロービームが点灯しなくなった。ハイビームは点くので、ロービームのなにかが壊れた様子。走行距離にしてわずか50kmほどの出来事だった。
ただ、以前の中華LEDバルブが同様に壊れたことを考えると、多分これはSUPAREEのバルブが悪いのではなくて、中華ダックスのジェネレーターやレギュレーターが悪いのではないかと思う。測っていないが過剰な電圧がかかっているのかもしれない。
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